卵管不妊とその治療
慶應義塾大学医学部産婦人科学教室 准教授 末岡 浩 先生
不妊の原因は3割が卵管不妊です
不妊で悩む夫婦は6〜7組に1組の割合です。中でも、卵管のつまりや卵管の癒着など、女性の卵管障害による不妊は全体の3割を占め、卵管は妊娠成立に関わる重要な機能をはたしています。女性側の不妊原因の中でも卵管不妊は最も頻度が高く、その病体もさまざまです。原因をしっかり究明して、適切な治療に望んでください。
卵管は妊娠のための大切な役目を担っている
卵管の機能が正常に働けば、自然妊娠は可能になります。卵管は卵巣から排卵された卵子と精子が出会い受精し、受精卵は卵割をくりかえし胚成長しながら子宮に運搬されます。受精後6日ほどで子宮にたどり着き、受精卵(胞胚)は着床します。そうして妊娠は成立します。卵管は精子と卵子の出会いの場を提供し、また、受精卵を成長させながら着床の場である子宮へと運んでいく環境因子としての重要な役目を担っています。
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卵管不妊に有効な治療法をお教えします