妊娠糖尿病
血糖をコントロールするには?
母体と胎児の合併症を防ぐために、妊娠中に血糖コントロールを継続することが大切です。日本糖尿病学会においては、妊娠中は、朝食前血糖値70~100mg/dL以下、食後2時間血糖値120mg/dL以下、HbA1c 6.2%未満を目標としています1)。
具体的な方法としては、食事療法が中心となり、可能な範囲で運動療法も行います。
食事療法では、医師や栄養士の指導のもと、肥満の有無や妊娠時期によってエネルギー付加量を変えていきます。1日3回の食事で血糖コントロールが難しい場合は、4~6分割食にしてカロリー摂取を小分けにします5)。それでも血糖コントロールが難しい場合は、インスリン療法を行います。
分娩後に気をつけることは?
妊娠糖尿病の人は、次の妊娠時にも妊娠糖尿病を発症する可能性があります。また、将来、2型糖尿病を発症する可能性が高いこともわかっています。そのため、妊娠糖尿病になった人は、産後6~12週に再度、血糖値の検査(ブドウ糖負荷試験)を受けましょう6)。
また、将来、妊娠を希望している人は、日頃から健康管理に気をつけることが大切です。とくに肥満があると糖尿病になりやすいため、食事の見直しや運動を取り入れて、肥満を防ぐよう心がけてください。
【参考文献】
1)日本糖尿病学会 編・著.糖尿病治療ガイド2016 -2017, p93-95, 文光堂, 2016
2)日本糖尿病学会 編・著.糖尿病診療ガイドライン2016, p370, 南江堂, 2016
3)日本糖尿病学会編集.科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン2013, p221, 南江堂, 2013
4)日本糖尿病学会 編・著.糖尿病診療ガイドライン2016, p367-368, 南江堂, 2016
5)日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会 編・監修. 産婦人科診療ガイドライン―産科編2014, CQ005-2, 2014
6)日本糖尿病学会 編・著.糖尿病診療ガイドライン2016, p381, 南江堂, 2016