基礎体温を記録してみよう。体温計の選び方と記録方法

目次

基礎体温計の選び方

基礎体温は小数第一位(0.1単位)までしか表示されない一般的な体温計ではなく、小数第二位(0.01単位)まで表示される基礎体温計で測定します。

基礎体温計には、実際に5分ほどかけて測定する「実測式」と、数十秒の測定だけで5分後の平衡温を予測できる「予測式」とがあります【図1】。測定時間が短い体温計であれば、忙しい朝でも検温しやすくなるのではないでしょうか。

【図1】 実測式と予測式

【図1】 実測式と予測式 【図1】 実測式と予測式

また、基礎体温計には、測定値を自動で記憶したり、次回生理日や排卵日を知らせてくれたり、毎朝の検温を忘れないための目覚ましアラームがついていたりするような、多機能タイプのものが市販されています。たとえばバックライト機能がついたものであれば明け方の暗い部屋でも表示がよく見えますし、防水機能付きのものであれば、水洗いもできて清潔に使えるのでおすすめです。また、長く使うものなので、電池交換も簡単にできるものがよいでしょう。

さらに最近は、スマートフォンアプリと連携し、測定値が自動でグラフ化できる基礎体温計も発売されています。こうしたアプリと連携しておけば、基礎体温のグラフ化や生理日・排卵日の予測機能が利用できるので、基礎体温の管理がより簡単、便利に続けられます。基礎体温計は、操作性や機能性、使いやすさなどを考慮して選びましょう。

平衡温とは

口中で体温を測る場合、検温開始後5分以上経過すると、“もうこれ以上は体温計の表示が上がらない”という温度に達します。これを「平衡温」と呼び、一般的にはこれを「体温」としています。

なぜ平衡温を測るのですか?

私たちのからだの温度は、からだの内部に近づくほど高くて、安定しています。しかし、からだの中心部の温度[中枢(核心)温]を日常的に測ることは難しいため、口(舌下)などで測定した際の「平衡温」を「体温」としています。

テルモの平衡温予測方式とは?

「平衡温予測方式」の採用により、5分以上の検温を必要とする平衡温を短時間で予測演算します。これは、多数の体温測定結果から体温の上昇カーブを解析し、そのデータを基に、マイクロコンピュータが検温時の温度上昇を細かく分析、演算して平衡温を予測し表示する方式です。

テルモの平衡温予測方式とは?

基礎体温の記録方法

起床時に基礎体温を測り終えたら、測定結果を記録しましょう。その日の測定値を点で記入し、前日の点と線で結んでグラフにします。基礎体温の記録には、アプリや基礎体温表が便利です。測り忘れた日があれば線で結ばず、空欄にしておきましょう。
基礎体温を測定・記録していると、生理周期や排卵・妊娠の有無以外にも、女性ホルモンの変動によるからだや心の変化など、多くのことに気づくことができます。また、基礎体温表にその日の体重や経血量、健康状態、性交渉の有無なども一緒に記録しておくと、からだの変化をより深く知るための手がかりにもなります。

基礎体温表ダウンロード(PDF)スタンダード版

基礎体温表の入手方法

基礎体温表として販売されているものや、ウェブサイトからダウンロードして使用できるものがあります。生理周期だけでなく、体調が入力できるもの、パートナーと記録共有できるものなど、アプリによって機能が異なりますので、目的にあったものを選びましょう。
なお、基礎体温表は1ヵ月分(1周期分)だけでは、平均的な体調や変化のリズムを捉えることができません。基礎体温を記録していれば、婦人科を受診する際は、2〜3周期分の基礎体温表を持って行くとよいでしょう。

基礎体温表の記入方法

基礎体温表に基礎体温値を点で記入します。翌日も測ったら前日の点と線で結びます。もし測り忘れた日があれば、その日は空欄にしておきます。その際は線で結びません。基礎体温値に加えて下記も記入してみましょう。生理周期の把握や体調管理の参考になります。

基礎体温表の記入方法

①生理周期

生理周期は、生理開始日を第1日として、次回の生理開始日の前日までを示します。生理が始まった日を「1」とし、翌日は「2」、以降「3、4、5 ……」と記入していきます。そして次の生理が始まったら同じように初日を「1」として、次の生理開始まで数えていきます。
※表では開始日の前につけた数字が周期になります。
(右の表では28日周期)
(上の表では28日周期)

②経血量

「経血量」の欄は、量に応じて3段階に塗ってください。

③記号

「記号」欄は、以下の記号を参考にご記入ください。

× 月経(生理) △月経痛(生理痛) ▲不正出血
◯性交 +++ ++ + おりもの

④健康メモ

「健康メモ」欄は、病気や服用した薬、睡眠不足、アルコール摂取、天候など体調・体温を変化させる要因や健康に関するできごと、そのほか気づいたことなどを記入してください。

基礎体温表の記入方法

※生理は、正しくは「月経」といいます。ここでは、皆さんになじみのある「生理」をつかっています。

監修者のご紹介 ▶︎ 監修者の詳細ページへ

九州大学大学院医学研究院生殖病態生理学分野(産科婦人科)
九州大学病院 産科婦人科  教授
加藤 聖子 先生

基礎体温は定期的につけるだけで、あなたの体の状態、リズムがわかります。そのしくみを知って有効に利用しましょう。

九州大学大学院医学研究院生殖病態生理学分野(産科婦人科)
九州大学病院 産科婦人科  助教
河村 英彦 先生

日々の体調管理や妊活に基礎体温をぜひ役立ててください。普段の生活では気付きにくい体のことを、ホルモン分泌の様子を教えてくれます。

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