婦人科ってどのような診療科なの？

婦人科では、生理痛やPMSなどの生理トラブルの悩み、妊娠に関する相談、更年期に起こる不調など、女性特有の病気や症状を扱っています【図1】。
また、病気の治療だけでなく、ピルの処方や、子宮頸がんなどの早期発見を目的とした婦人科検診も行っています。

ひと昔前、産婦人科や婦人科は「妊娠・出産の際、または病気になってから初めて行くところ」と認識されていました。また、生理痛や更年期障害などは「我慢するのが当たり前」といった風潮もありました。しかし、女性の心身の不調には個人差があり、自覚症状が軽くても重大な病気が潜んでいる場合もあります。
婦人科は女性のそれぞれのライフステージで起こる不調に寄り添い、女性の健康を支える診療科です。より快適な生活をおくるためにも、不調を我慢せず婦人科を受診することが大切です。

【図1】　女性のライフステージごとのかかりやすい病気や症状

「働く女性の心とからだの応援サイト」​
https://www.bosei-navi.mhlw.go.jp/health/lifestage.html
（2023年11月閲覧）

婦人科で診てもらえる病気ってどんなものがあるの？

【表1】　子宮と卵巣の主な疾患（良性・悪性腫瘍）

婦人科で扱う主な臓器は子宮と卵巣ですので、このような病気を婦人科で診ることになります。

→詳しくは
・正常な生理とは？生理痛やイライラはどうしたらいい？
・月経困難症とは？毎月つらい生理痛があるときは」
・生理がこない？無月経について知ろう」
・月経前症候群（PMS）と月経前不快気分障害（PMDD）について知ろう」
・更年期とは？原因や症状、基礎体温との関係について」 へ

女性特有の臓器から発生する腫瘍（しゅよう）^※1には、ほかの臓器への転移（てんい）^※2や周辺への浸潤（しんじゅん）^※3を起こす悪性腫瘍（あくせいしゅよう）と、それらを起こさない良性腫瘍（りょうせいしゅよう）とがあります。子宮筋腫は大きくなっても転移や浸潤を起こさないので良性腫瘍ですが、子宮頸がんや子宮体がんは転移や浸潤を起こすので悪性腫瘍です。

→詳しくは
・子宮腺筋症とは？診察と治療の内容、受診タイミング」
・子宮筋腫とは？診察と治療の内容、受診タイミング」
・子宮内膜ポリープ、子宮頸管ポリープとは？診察と治療の内容、受診タイミング」
・子宮体がんとは？診察と治療の内容、受診タイミング」
・子宮頸がんとは？診察と治療の内容、受診タイミング」
・卵巣がんとは？診察と治療の内容、受診タイミング」 へ

悪性腫瘍だけでなく、良性腫瘍であっても、不妊や日々の生活に影響する場合は、手術を含めて治療が必要になる場合があります。不安に思うことがあれば、まず婦人科を受診しましょう。

→詳しくは
・婦人科を受診するタイミングと症状は？婦人科の診察ではなにをするの？」 へ

※1腫瘍：からだを構成する細胞に由来し、進行性に増えたものを腫瘍といいます。
※2転移：がん細胞が最初に発生した場所（原発巣げんぱつそう）から、血管やリンパ管に入り込み、血液やリンパ液の流れに乗って別の臓器や器官に移動し、そこで増えることをいいます。
※3浸潤：がんが周囲に染み出るように広がっていくことです。