婦人科を受診するタイミングと症状は?
婦人科の診察ではなにをするの?

目次

どんなときに婦人科に行けばいいの?

こんな症状はありませんか?

ここに書いてある状態は治療可能なものも多いことから、日常生活に支障を来たすような症状や、からだの調子がいつもと違うと感じたら、早めに婦人科を受診してみましょう。
なお、生理痛がひどい、経血量がいつもよりも多いというような生理に関連した疾患は、生理の時期に関係なく受診できますので、ためらわずに相談してみましょう。

思い切って婦人科を受診してみると、思っていなかった病気が見つかることもあり、治療によって仕事や日常生活での困りごとが減ることが期待できます。
また、生理痛や生理不順など生理に関するトラブルは、原因を調べて対処すればつらい症状がやわらいだり、不妊症などの将来的な病気リスクへの適切な対応にもつなげられたりします。

→詳しくは
・正常な生理とは?生理痛やイライラはどうしたらいい?
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・卵巣がんとは?診察と治療の内容、受診タイミング

婦人科ではどのように診察が進められるの?

【図1】 婦人科での一般的な診察の流れ

診察ではまず問診があり、必要に応じて検査も行われます【図1】。病気が見つかった場合は、その治療をしますが、その病気が婦人科ではなく、他の診療科が対応したほうがよいと思われる場合は、その病気にあった診療科や医療機関を紹介してもらうこともあります。

問診

問診票に、初経(初潮)の年齢、生理の期間・間隔・経血量、直近に起きた生理の開始日と終了日、性交渉の有無などを記入します。その後、医師からの問診があります。プライベートなことなので、恥ずかしくて答えにくいという人もいますが、適切な診断に必要です。

視診・触診

医師が腹部や外陰部などを確認して、しこりや異常がないかを調べます。

内診

医師が手袋をつけて腟内に指を挿入し、同時に腹部を上から押さえて子宮や卵巣が腫れていないか、押したときに痛みがないかなどを調べます。また、医師が直接触れるのではなく、腟からプローブと呼ばれる器具を入れ、卵巣の大きさや子宮の状態を観察する超音波検査が行われることもあります。性交渉経験がない場合、プローブを直腸(お尻)から入れる場合があります。

婦人科の内診は必要?

内診は、「内診台」と呼ばれる専用の診察台に座って、両脚を開いた状態で診察を受けます。内診台に座ることに抵抗を感じてしまうかもしれませんが、「病気を診断するために重要な検査」と前向きにとらえましょう。どうしても抵抗があれば、他の手段を考えることがあります。

婦人科での内診の受け方

ズボンの場合は、ズボンと下着を脱いで内診台に座ります。スカートの場合は下着だけ脱ぎ、スカートは腰上にたくしあげて座りましょう。準備ができたら、医師が診察しやすい高さや姿勢になるよう、内診台が自動で動きます。

内診台に上がったら、腰を台にぴったりとつけ、からだの力を抜きましょう。痛みを伴うことは少ない検査ですが、緊張して力が入ってしまうと診断が難しくなるので、できるだけ力を抜いてリラックスして受けるようにしましょう。内診中に医師と顔を合わせることがないよう、内診台の上にカーテンが取り付けられている場合もあります。

なお、性交渉の経験がない方や、内診に抵抗がある方には、別な検査が行われることもあります。

婦人科へ行くときのおすすめの服装・持ち物

  • 腕をまくりやすいトップス:血圧を測ったり採血する場合があります
  • 裾をめくりやすいスカート:タイトではないフレアースカートやプリーツスカートであれば、下着のみを脱ぎ、スカートを腰上までたくしあげるだけですみます
  • 靴下・ひざ下までのストッキング:腰履きのストッキング・タイツは脱ぎましょう
  • 生理用ナプキン:検査時に少量出血する場合がありますので、ナプキンを持っていくと安心です。
  • 紹介状やその他の書類が必要な場合があります。予約時や受付の際に聞いてみましょう。

婦人科で行う検査

腟鏡診

腟鏡という診察器具を腟内に入れ、腟の壁を広げて内部まで調べます。腟内やおりものなどに異常がないかが確認できます。

細胞診

子宮頸部や子宮内膜の細胞を採取して、異常がないか調べます。細胞の採取には綿棒、ヘラやブラシなどを用います。

腟分泌物採取

腟内のおりものを採取して、ウイルスや細菌などの有無を調べます。採取には注射器を用います。

尿検査

妊娠や尿路感染症などの判定をするために行われます。尿中の糖分やタンパク質の量、ホルモンの状態や細菌の有無などを調べます。

血液検査

血液検査の項目はさまざまで、ホルモンの状態や貧血の程度、性感染症の有無を調べたり、腫瘍マーカー測定で腫瘍の良性・悪性の判定をしたりします。

※生理は、正しくは「月経」といいます。ここでは、皆さんになじみのある「生理」をつかっています。

参考文献

  1. 病気がみえる Vol.9 婦人科・乳腺外科 第4版 医療情報科学研究所 編集 株式会社メディックメディア, 2018
  2. 社会福祉法人 恩賜財団 済生会
    症状別病気解説 病気解説特集 婦人科ってどんなところ?
    https://www.saiseikai.or.jp/medical/column/gynecology/(2023年11月閲覧)

監修者のご紹介 ▶︎ 監修者の詳細ページへ

東京大学医学系大学院 産婦人科学講座
東京大学医学部附属病院 女性診療科・産科 准教授
平池 修 先生

産婦人科、特に生理に関連した疾患は、頻度が多いことからありふれた疾患と考えられ、我慢する、様子を見る、ということがこれまでずっと続いていました。しかし、ここに示すような色々な疾患と関連することが多いため、あなたのライフプランに大きな悪影響をもたらす可能性があります。ぜひ、知識を備えてあなたの人生を創っていきましょう。

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